『電気工事』で建設業許可を取得すれば、電気工事だけでなく、機械の設置など関連する工事のすべてを行えるのか?

業種確認の重要性について

 建設業許可取得を検討するとき、経営業務管理責任者や営業所技術者の専任要件を満たしているかを確認することはとても重要ですが、私は最初に申請しようとする業種を確定することから始めています。

 例えば太陽光パネルの設置工事が主な業務の建設会社が建設業許可申請をしようとした場合、屋根一体型の太陽光パネルであれば『屋根工事』に該当し、太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当します。どちらも電気配線工事を伴う作業ですので「電気工事士」の資格の保持者が現場作業を行います。そのため『電気工事』に該当するイメージがありますが実際は異なります。申請する業種が異なれば営業所技術者の要件は変わってきます、あとで間違ってましたでは取返しがつきませんので、少しでも曖昧な場合は私は必ず担当窓口で確認するようにしています。

 特に実務で曖昧になりやすい業種のひとつが『機械器具設置工事』です。機械器具を設置する場合、単独で器具を設置することは少なく電気配線工事や配管工事を伴う場合が多くなります。広島県が作成した「建設業許可申請の手引き」では『機械器具設置工事』を以下のように記述しています。

1 『機械器具設置工事』には、広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれているため、機械器具の種類によっては『電気工事』『管工事』『電気通信工事』『消防施設工事』等と重複するものであるが、これらについては原則として『電気工事』それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

 と記述があります。まずは専門工事に該当するかどうか検証しなさいということですが、建設業許可を申請する事業主様の大半は専門分野をすでにお持ちですので、専門分野について申請する業種が曖昧になる事業主様は少ないのではないでしょうか。

 注意していただきたいのは、専門としている工事に関連した工事や、附帯工事を行うときです。建設業許可を取得しても施工できる工事は取得した業種の範囲内であり、軽微な建設工事に該当しない工事を施工することはできません。この場合は取得している建設業許可とは別に、該当する業種の建設業許可を取得するか、許可を取得している建設業者に外注することになります。※軽微な工事に該当しない工事が含まれていても請け負うことはできます。

まとめ:建設業許可を取得しても関連する工事の全てを自社施工できるとは限らない。

 これから建設業許可取得を検討されている事業主様で、申請する業種以外の業種に当てはまる可能性がある工事をしている場合は申請時に注意が必要です。どちらの業種でも500万円以上の工事を請け負う予定がある場合はそれぞれの業種で営業所技術者を専任する必要があります。

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