技術検定試験の受験資格が緩和されたことはご存じでしょうか? 無資格、指定学科を卒業していなくても、1次試験に合格すれば営業所技術者の実務経験年数を短縮できます。

技術検定試験とは?

 技術検定試験のことをご存じの方は多いと思いますが、技術検定試験とは技術者の技術力や知識について客観的に評価し、証明する試験制度全般を指します。試験合格者には専門的な称号や資格が付与されたり、実務経験年数の短縮などのメリットがあります。

 建設分野だと、7種目それぞれ1級と2級の区分があり、国土交通大臣の指定した試験機関が実施しています。以下が検定種目になります。(国土交通省のHPから参照しています)

検定種目指定試験機関(問合せ・申込先)電話番号
土木施工管理
(1級・2級*)
(一財)全国建設研修センター
https://www.jctc.jp/
042-300-6860
建築施工管理
(1級・2級*)
(一財)建設業振興基金
https://www.kensetsu-kikin.or.jp/
03-5473-1581
電気工事施工管理
(1級・2級)
(一財)建設業振興基金
https://www.kensetsu-kikin.or.jp/
03-5473-1581
管工事施工管理
(1級・2級)
(一財)全国建設研修センター
https://www.jctc.jp/
042-300-6855
造園施工管理
(1級・2級)
(一財)全国建設研修センター
https://www.jctc.jp/
042-300-6866
建設機械施工管理
(1級・2級*)
(一社)日本建設機械施工協会
https://jcmanet.or.jp/
03-3433-1575
電気通信工事施工管理
(1級・2級)
(一財)全国建設研修センター
https://www.jctc.jp/
042-300-0205

*2級土木は「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」、2級建築は「建築」「躯体」「仕上げ」の3種別にそれぞれ分かれています。
*2級建設機械は「第1種」~「第6種」の6種別に分かれています。

技術検定試験の合格者に付与される「技士」と「技士補」について

 技術検定試験は1級、2級共に1次試験(学科試験)と2次試験(実務試験)があり、1次試験と2次試験に合格すると「技士」の称号が付与され1級技士は監理技術者、2級技士は主任技術者になることができます。それが令和3年4月1日の改正建設業法の施工により1次試験の合格者には、新設された「技士補」の称号が付与されるようになりました。

 技士補は営業所技術者になることはできませんが、実務経験を積むことで営業所技術者になることができます。(1級技士補は3年、2級技士補は5年)この制度を利用することで資格の取得が難しい業種の営業所技術者や、実務経験による営業所技術者の占める割合の高い業種(機械器具設置工事業等)、すでに実務経験を積んでいる労働者の方は資格の取得ではなく技術検定試験の1次試験の合格を目指すという選択肢も有効ではないでしょうか?

 尚、指定建設業である土木工事業、建築工事業、舗装工事業、鋼構造物工事業、管工事業、電気工事業、造園工事業の7業種と電気通信工事業はこの制度から除かれており、この制度を利用して営業所技術者等になることはできないので注意が必要です。 

緩和された受験資格について

 この技術検定試験の受験資格が令和6年度より大幅に緩和されました。旧受験資格では1級試験の1次試験は学歴と実務経験、2次試験は学歴と実務経験、2級試験合格者は実務経験かつ1級1次試験合格者、2級試験の1次試験が17歳以上、2次試験は学歴と実務経験、が必要だった受験資格が以下のように緩和されています。

新受験資格

1級試験
1次試験: 19歳以上(受検年度末時点) 
2次試験: 1級1次試験合格+実務経験 もしくは 
       2級2次試験合格+実務経験

2級試験
1次試験: 17歳以上(受検年度末時点)
2次試験: 2級1次試験合格+実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上) もしくは
       1級1次試験合格+実務経験1年以上

おわりに

 この変更によって受験資格を有する者が大幅に増えたと思われます。営業所技術者になれる選択肢が増えたことは建設業界で働く労働者の方にとっても、人材確保と育成に努める建設会社様にとっても手助けになるのではないでしょうか? 

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