建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?

建設キャリアアップシステムとは

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業で働く技能者の資格や現場での就業履歴などを登録・蓄積し、技能の公正な評価や工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげるためのシステムです。国土交通省が推進し、一般財団法人建設業振興基金が運営主体となっています。

CCUSの普及率は、2019年の運用開始当初324万人とされる建設技能労働者全員に対し、5年後までにCCUS発行のカードを普及させる目標が設定されていました。しかし、2022年1月末時点では81万人の登録にとどまり、普及率は約25%でした。

2024年9月時点では約150万人の登録者となり、建設業全体の労働人口と比較すると3分の1以下となります。CCUSの活用方法としては、まず技能者はCCUSカードを携帯し、現場のカードリーダーで読み取ることで、就業履歴を蓄積します。事業者側は、現場情報や契約情報を登録し、技能者の就業履歴を管理します。

これにより、労務管理の効率化や、技能者の適切な評価、ひいては業界全体の健全化を目指します。

建設キャリアアップシステムの活用方法の具体例

技能者

  • 就業履歴の蓄積
    現場での入退場時にCCUSカードをカードリーダーにかざすことで、自動的に就業履歴が記録されます。
  • スキル証明
    保有資格や講習受講履歴などを登録することで、自分のスキルを客観的に証明できます。
  • 適正な処遇
    就業履歴やスキル情報に基づいて、適正な評価や処遇が受けられるようになります。
  • キャリアアップ
    経験やスキルを可視化することで、キャリアアップの目標を立てやすくなります。

事業者

  • 労務管理の効率化
    現場の入退場履歴を自動で記録できるため、出面管理や賃金計算などの労務管理業務が効率化されます。
  • 施工体制台帳・作業員名簿の作成
    登録された事業者・技能者情報を活用することで、書類作成にかかる工数やミスを減らすことができます。
  • 技能者の適切な評価
    技能者の経験やスキルを把握しやすくなるため、適正な評価を行いやすくなります。
  • 人材育成
    技能者のスキルアップを支援することで、優秀な技能者を育成することができます。
  • 現場の安全管理
    現場への入退場記録を把握することで、現場の安全管理に役立てることができます。

CCUSの登録の流れ

建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録は、技能者と事業者の両方で必要です。技能者登録では、インターネットまたは認定登録機関を通じて申請を行い、ICカード(建設キャリアアップカード)が交付されます。

事業者登録は、事業者が建設キャリアアップシステムを利用するための登録です。どちらの登録も、インターネット経由または認定登録機関への書面申請で行うことができます。

事業者登録の流れ

利用申し込み

建設キャリアアップシステムのウェブサイトから利用申し込みを行い、事業者IDとパスワードを取得します。

情報入力

取得したIDとパスワードでシステムにログインし、事業者情報を入力します。

申請

入力内容を送信し、申請手続きを行います。

審査

提出された情報が審査されます。

登録完了

審査完了後、事業者IDと管理者IDが通知されます。

技能者登録の流れ

登録申請

建設キャリアアップシステムのウェブサイトから、または認定登録機関で、技能者情報を登録します。

  • インターネット申請
    簡略型登録と詳細型登録の2種類から選択できます。
  • 認定登録機関申請
    書面で申請を行います。
審査

提出された情報が審査されます。

登録完了

審査完了後、技能者IDが発行され、建設キャリアアップカードが送付されます。

登録時の注意点

  • インターネット申請の場合、申請から登録完了まで1ヶ月から2ヶ月程度かかる場合があります。
  • 書面申請の場合、手書きで申請書を作成する必要があります。登録内容に不備があると、審査に時間がかかる場合があります。
  • 技能者登録は、雇用事業主、行政書士による代行申請も可能です。

建設業におけるDX対応とCCUSの関連性

建設業DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、建設業界が抱える人手不足、生産性、安全管理などの課題を解決するために、AI、IoT、ICTなどのデジタル技術を活用して、業務プロセスやビジネスモデルを抜本的に変革する取り組みのことです。

建設業におけるDX対応とCCUSは、業界の課題解決と生産性向上に不可欠な要素です。CCUSの導入は、費用や習熟期間などの課題もありますが、長期的な視点で見れば、業務効率化や技能者の処遇改善に繋がり、建設業界全体の発展に貢献することが期待できます。

また、DX推進により、CCUSのデータ活用や業務効率化が進み、建設業界全体の活性化、生産性の向上、安全性の向上、そして持続可能な発展に貢献することが期待できます。

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