営業所技術者の要件と実務経験の証明方法

営業所技術者とは?

建設業許可制度にて、許可取得の要件のひとつに営業所技術者(専任技術者)の配置があります。

建設工事を営む事業者は、請け負った工事を完成させるだけの高度な知識や技術力を所持していることが要求されます。

営業所技術者とは、建設業許可を取得している営業所に配置が義務付けられている技術者のことであり、適正な請負契約が締結されるよう、技術的観点から契約内容の確認を行ったり請負契約の適正な履行が確保されるよう、現場の監理技術者等のバックアップやサポートをおこなう技術者のことをいいます

具体的には以下の役割を担います。

  • 請負契約の適正な締結のサポート
    技術的な観点から契約内容を確認し、適正な契約が行われるようにサポートする。
  • 請負契約の適正な履行のサポート
    工事現場の主任技術者や監理技術者をバックアップし、契約通りに工事が履行されるようにサポートする。
  • 営業所での技術的な管理
    営業所で、建設工事に関する技術的な管理を行う。
  • 技術的な助言や指導
    契約時の技術的な助言や指導を行います。
    営業所技術者になるためには一般建設業と特定建設業で要件が異なりますが、実務経験や一定の資格、常勤性等が必要となります。

建設業許可制度における営業所技術者の要件とは?

建設業許可制度における営業所技術者(専任技術者)の主な要件は、建設業許可の種類ごとに定められた国家資格や実務経験、学歴などになります。

また、営業所技術者は営業所に常勤していることが求められ、その営業所で行われる建設工事に関わる技術的な指導や管理を行うことが求められます。具体的には以下の要件になります。

営業所技術者(専任技術者)の主な要件

  • 資格要件
    建設業の種類ごとに定められた国家資格(例: 1級・2級施工管理技士、建築士など)
  • 実務経験
    資格がない場合は指定学科卒業後の実務経験や、一定年数以上の実務経験が必要になります。
  • 学歴
    学歴として認められるのは指定された学科を卒業する必要があります。卒業した学校によって必要な実務経験の年数が変わります。
  • 常勤性
    設置された営業所に常勤し、その営業所で行われる建設工事に関わる技術的な指導や管理を行うことが必要です。
  • 専任性
    営業所ごとに専任の技術者として配置する必要があり、他の営業所の営業所技術者との兼任はできません。
  • その他
    令和3年12月以降、一定の条件を満たせば、テレワークで職務に従事する場合も専任要件として認められるようになりました。ただしこの場合でも営業所技術者の住所は営業所に通勤できる範囲内となります。

営業所技術者になるために必要な経験年数とは?

営業所技術者(専任技術者)になるには、一般的に10年以上の実務経験が必要となります。ただし、指定学科を卒業した学歴や一定の国家資格を取得することによって、この年数が短縮されます。

  • 国家資格の場合
    申請する工事の種類に対応する資格取得者は実務経験を証明する必要がありません。
  • 学歴(指定学科)の場合
    許可を受けようとする業種について、学校教育法による高等学校若しくは専修学校の専門課程を卒業した者は5年以上の実務経験。同法による大学(短期大学を含む)、高等専門学校若しくは専修学校の専門課程(専門士又は高度専門士を称するものに限る)を卒業した者は3年以上の実務経験になります。
  • 上記以外の場合
    許可を受けようとしている業種の実務経験が10年以上必要になります。

以上の他に、特定の業種では実務経験の緩和処置が設けられています。

また、試験に合格することで証明が必要な実務経験の期間が短縮・免除される技術検定試験があります。

技術検定試験には1級と2級があり、2次試験を合格することで「営業所技術者」「主任技術者」になることができます。(特定建設業の営業所技術者は1級試験合格者のみ)1次試験の合格者は営業所技術者になるために必要な実務経験の期間が短縮されます。(1級試験と2級試験で短縮期間が異なります)

期間の短縮が認められない業種もあるため確認が必要です。

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