業種追加・事業拡大を検討する方へ

建設業許可における業種追加とは

建設業許可制度では、許可を取得できる工事の種類が29種類に分けられており、事業内容に合った種類を選択して許可取得の申請をします。建設業許可の業種追加とは、既に建設業許可を取得している事業者が、新たな業種の許可を取得する際に行う手続きのことをいいます。

例えば、既に「タイル・れんが・ブロック工事」の許可を持っている事業者が、「機械器具設置工事」の許可を新たに追加する場合などが該当します。

事業拡大の予定があるため建設業許可の業種追加をしたい

建設業許可における業種追加をすることで挙げられる利点としては、

  • 受注できる工事の種類が増えることによる業務範囲の拡大
  • 業務範囲が拡大したことによる取引先からの信頼性の向上が期待できる
  • 将来的な更新手続きの一本化で、手続きの簡略化を図ることができる

などが挙げられます。

業種追加のメリット詳細

業務範囲の拡大について

建設業許可は業種ごとに許可を取得する必要があり、許可のない業種の工事を請け負うことはできません。業種追加により、これまで請け負えなかった工事を受注できるようになり、事業拡大に繋がります。

例えば、建築一式工事の許可しか持っていない建設事業者が、電気工事の許可を追加取得することで、電気工事も請け負えるようになります。

取引先の信頼性向上について

建設業許可は、一定の要件を満たした事業者にのみ許可が与えられます。

業種追加をすることで、より多くの工事に対応できることを対外的にアピールすることができ、対応業種が増えることで取引先からの信頼性向上に繋がります。

将来的な手続きの一本化による手続きの簡略化について

建設業許可は、許可を取得した業種ごと、また一般建設業と特定建設業ごとに有効期限がそれぞれ設定されています。これらの異なった有効期限は一本化することができ、将来的に許可を一本化することで、手続きを簡略化できる可能性があります。

例えば、複数の業種で許可を取得している場合、どれか一つの業種の更新時に他の業種の更新もまとめて一本化することで、更新手続きの回数を減らすことができます。

建設業許可における業種追加のデメリットは、主に事務手続きの煩雑化、更新手続きの増加、そして費用負担の増加です。特に、複数の業種を保有する場合、それぞれの有効期限が異なると、更新手続きが煩雑になり、管理が難しくなる可能性があります。

また、業種追加ごとに申請手数料が発生するため、費用も増加します。

業種追加のデメリット詳細

建設業許可の業種追加はメリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。

事務手続きが煩雑化する

将来的に手続きを一本化することで手続きの簡略化を図ることができますが、業種追加は業種を追加するごとに営業所技術者を新たに設置する必要があり、人材の確保、実務経験の証明等が発生します。

そのため業種が増えるほどに事務作業、許可を維持するための要件が増えていきます。

更新手続きが増加する

追加した業種ごとに有効期限が異なる場合、更新手続きが複数回発生する可能性があり、前の許可と新しい許可の期限が違うためです。

更新時以外で追加をすると建設業許可の更新回数が増加します。

例えば最初の許可の2年と7ヶ月後に追加した場合、何もしなければ2年5ヶ月後と5年後に許可更新申請をすることになります。そのため失念や誤認で更新時期を管理しきれず、許可を失効するリスクが考えられます。

許可の取得・維持に必要な費用の負担が増加する

業種追加をするごとに申請手数料が発生します。また業種を追加することで更新手続きが増え、その都度手数料を支払うことになり費用が増えることになります。

業種追加は、必要な工事に対応できるようになる一方で、人材の確保、事務手続きや費用負担が増加する可能性があります。業種の追加を検討する際は、それぞれの業種の工事を実際に請け負うかどうか、人材の確保、事務手続きや費用の負担を考慮し、慎重に判断する必要があります。

建設業における新分野とは

建設業における新分野とは、従来の建設工事だけでなく、太陽光や地熱等を利用した持続可能な再生エネルギー、環境面に配慮した環境事業、情報通信技術を活用したICT関連事業、地域の特色に合わせた地域活性化事業など、新たな技術やニーズに対応した事業領域を指します。

これらの新分野への進出は、建設業界の課題である人手不足の解消や従業員の高齢化への対応、建設工事の需要減少を克服することが期待できます。今後の継続的な建設業界全体の成長を促すために新分野への参入は重要な戦略といえます。

新分野にはまだまだ課題も多くリスクを伴いますが、建設業界が新分野に参入することで、持続可能社会の実現、地域社会の発展と活性化に貢献できるだけでなく、建設業界全体の活性化につながることが期待されています。

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