個人事業主でも建設業許可は必要?

個人事業主でも建設業許可を取得するべきか?

個人事業主が建設業許可を取得しておくか否かについて、私見を述べれば、取得しておくことをお勧めします。

個人事業主に限らず法人だとしても、建築業許可を取得した場合のデメリットとしては、以下の点があります。

建築業許可を取得した場合のデメリット

1. 許可取得に費用がかかる

建築業許可を取得するには、申請行政庁に対して手数料を支払う必要があります。

手数料は都道府県知事許可と国土交通大臣許可で異なり、広島で知事許可を得るために必要な手数料は新規一般区分で9万円となり、大臣許可だと新規一般区分で15万円の手数料が最低限かかります。

建築業許可のみを取得するだけでもこれだけの費用がかかります。

2. 申請に手間と時間がかかる

建築業許可申請に必要な書類は多岐に渡り、人的要件、経営要件、財政要件等を証明する書類を揃える必要があります。

申請から許可を取得するまでの期間も長く、都道府県知事許可の標準処理期間がおよそ30日から45日、国土交通大臣許可の標準処理期間がおよそ90日となり、許可を取得するには大量の書類を揃え、ひと月以上の期間を見据えて準備をすることになります。

これらを本業の合間もしくは時間を削って準備をすることになります。

3. 許可の維持に経費と手間がかかる

建築業許可は一度取得すれば終わりではなく、5年毎に更新する必要があります。

更新にはその都度手数料が5万円ほどかかり、新規の申請と同等の書類を揃え審査行政機関に提出する必要があります。

また申請内容に変更があった場合は、定められた届出期間以内に変更届を提出し、毎年事業年度終了後から4か月以内に決算変更届を提出する義務が発生します。

これらを怠った場合は、営業の停止、許可の取消等の行政処分を課せられるおそれがあります。


以上のようなデメリットに加え、建築業許可を取得すれば帳簿の作成・保存義務、標識の掲示義務等も発生します。

これでは軽微な工事しか請け負わない事業主様にとっては、建築業許可は不必要な代物かもしれません。

しかし建築業許可を取得した場合のメリットとして、以下の点があります。

建築業許可を取得した場合のメリット

1. 請負金額の上限が上がる

設立当初は一人親方でスタートしても、経営が順調に推移すれば従業員を雇うことも検討されると思います。そのときに建築業許可を未取得の場合は、請負金額に上限があるため雇用を維持するために充分な請負金額の工事を受注することができません。

建築業許可を取得するために必要な期間を考慮すると、将来的に経営規模を大きくすることを検討されている個人事業主様は、建築業許可を先に取得しておけば経営規模の拡大に合わせたスムーズな対応が期待できます。

2. 社会的信用を得られやすい

建築業許可を取得するためには厳格な条件をいくつも満たす必要があり、建築業許可を取得することで経営面、技術面、財政面で優れた人材、充分な資金を備えていることを対外的に証明することができます。

公的な証明は取引先や金融機関から社会的信用を得られやすくなるため、新規工事の受注や金融機関から融資を受けやすくなります。

建築業許可を取得することは、自社を対外的にアピールする際に有利に働きます。

3. 公共工事への参加が選択肢として広がる

個人事業主様の中には、公共工事の受注を検討されている方もおられると思います。

公共工事を受注するための条件のひとつに建設業許可を取得していることが挙げられます。その他に入札参加申請、経営事項審査を受けるといった条件を満たす必要があり、公共工事の受注を検討してもすぐに入札参加できるわけではありません。

事業拡大の選択肢として公共工事の受注が候補に入る予定がある個人事業主様は、建築業許可だけでも取得しておくのも一考の余地はあるのではないでしょうか。


以上のようなメリットの他に建築業許可の取得の利点としては、社会的な信用を得られやすい効果として従業員の雇用、資格取得、意識向上につながるといった効果も期待できるのではないでしょうか。

これらのメリットと先に挙げたデメリットを合わせて総合的に考慮していただき、個人事業主様には建築業許可取得の必要性の有無の判断をしていただくことになります。

現状維持のままか、将来検討されると思われる法人化等も見据えた判断をされるか、経営者としての思案のしどころと思われます。

建築業許可は個人で取得できるのか?法人でないと取得できないのか?について。

建築業許可の取得は、個人でも法人でも可能です。

取得の条件に法人のみといった規定は定められていませんので、個人事業主(一人親方)でも建築業許可を取得することはできます。建築業許可の取得に必要な条件は、人的要件、経営要件、財政要件を満たしていることが重要になります。

個人事業主が広島で建築業許可を取得するには?

広島に営業所を構え事業を営んでいる個人事業主様が建築業許可を取得するには、行政庁である広島県知事に対して建築業許可申請をすることになります。実際の申請は、必要な書類を揃えて審査行政機関に出向き、手数料を支払ってから書類を提出、審査を受けるといった流れになります。

最近はインターネットを利用した電子申請も可能になっていますが、現場に出向くことが多い個人事業主様にとって、建築業許可申請の準備をするということは手間がかかり非常に煩わしいと思われます。

当事務所は「建築業許可申請」を専門としている行政書士事務所になります。建築業許可申請に必要な書類の作成・提出、行政機関からの応対も含めて代行することができますので、ご相談していただければと思います。

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