資格がなくても許可は取れる?無資格者のための戦略

建設業許可の要件である営業所技術者(専任技術者)を無資格で取得するには

事業者は請負金額が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事を請け負う場合に、建設業許可が必要となります。請負金額が500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満)の工事であれば、建設業許可を取得してなくても請け負うことができます。

しかし、許可を取得するには一定の要件を満たす必要があり、その一つに営業所技術者(専任技術者)の設置があります。建設業許可における営業所技術者とは、建設業許可を取得した営業所ごとに配置が義務付けられる技術者のことです。

営業所技術者は、請負契約の技術的な側面を支え、契約内容の確認や履行の確保、現場の主任技術者・監理技術者のサポートなどを行います。

営業所技術者(専任技術者)になるには、資格、学歴、実務経験のいずれかの要件を満たす必要があるため、無資格で営業所技術者になるには指定学科の卒業と一定期間の実務経験、または10年以上の実務経験が必要となります。

資格不要。学歴と実務経験で営業所技術者(専任技術者)になって建設業許可を取得するための条件は

指定学科の卒業と一定期間の実務経験の場合

指定学科の卒業と実務経験で営業所技術者になるには、許可を受けようとする業種について、学校教育法による高等学校若しくは専修学校の専門課程を卒業した後5年以上の実務経験、もしくは同法による大学(短期大学を含む)、高等専門学校若しくは専修学校の専門課程(専門士又は高度専門士を称するものに限る)を卒業した後3年以上の実務経験が必要となります。

実務経験のみの場合

実務経験のみで営業所技術者になるには、許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験が必要となります。

実務経験として認められるもの、認められないもの

建設業許可における実務経験とは、許可を受けようとする建設工事の種類に関する技術的な職務経験を指します。

これには、現場監督や職人としての経験、見習い期間、さらには設計や発注者側の現場監督経験も含まれます。

実務経験となるもの

  • 現場監督としての経験
    施工管理や工程管理、品質管理など、工事現場を管理する経験は実務経験に含まれます。
  • 職人としての経験
    実際に工事に携わる大工、左官、電気工事士などの経験は実務経験に含まれます。
  • 見習いとしての経験
    職人や現場監督の見習いとして、工事現場で経験を積んだ期間は実務経験に含まれます。
  • 設計・発注者側の経験
    建設工事の設計や、発注者側の現場監督として工事を管理する経験は実務経験に含まれます。
  • 解体工事の経験
    解体工事に関する経験も、一定の条件を満たせば実務経験として認められます。

実務経験として認められないもの

  • 建設工事の雑務のみを行っていた経験は、実務経験として認められません。
  • 建設業とは関係のない業務経験は、実務経験として認められません。

実務経験の証明書類

建設業許可における営業所技術者の実務経験を証明する書類は、主に工事請負契約書、注文書・注文請書、請求書と入金が確認できる通帳の写しなどが挙げられます。

ただし、証明書類については都道府県によって異なるため確認が必要です。

営業所技術者(専任技術者)は現場代理人と兼任できるか

現場代理人とは、工事現場の責任者として、工事の運営、取締り、契約に関する事項(請負代金の変更や契約解除等を除く)を請負人の代理として行う者のことです。

現場代理人は、工事現場に常駐し、発注者との連絡や調整、工程管理、安全管理など、工事の円滑な進行と品質確保のために重要な役割を担います。建設業許可における営業所技術者は、原則として現場代理人を兼任できません。

営業所技術者は営業所に常勤し、専らその職務に従事することが求められるため、現場に常駐する現場代理人とは兼務が認められないのが一般的です。ただし、一定の条件下では主任技術者や監理技術者との兼任が認められる場合があります。

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